COLUMN コラム
山下ホームの不動産お役立ちコラムです
知らなきゃ損!札幌市の不動産取得税と減額申請ガイド ― 道庁での手続き完全解説

目次
『不動産取得税』とは?
家を買ってしばらくすると、「不動産取得税の納税通知書」がポストに届きます。「え、固定資産税とは違うの?」と戸惑う方も多いですが、これは一度きりの税金で、「家や土地を取得したこと」に対して北海道が課税します。
- 固定資産税: 市町村に毎年納める
- 不動産取得税: 北海道に一回だけ納める
通常は取得から3か月〜1年後に納付書が届きます。しかし!要件を満たせば減額できる制度があることをご存知でしょうか。
この記事では以下の3点を中心に解説しています。
- 税額の計算方法
- 控除制度(札幌市民向け)
- 実際の申請手順(北海道庁での対応)
「いくらかかるの?」「いつ払うの?」「どうすれば安くできるの?」そんな疑問をまるごと解消し、スムーズな新生活スタートを応援します!
不動産取得税の計算方法
不動産取得税は、「固定資産評価額 × 税率」で計算されます。この“固定資産評価額”というのは、家の購入価格や建築費とは違い、札幌市から毎年4月ごろ届く「固定資産税の通知書」に書かれている金額のことです。
税率は、ふだん使いの家(自分で住むための住宅)なら3%、それ以外の不動産は4%です。たとえば評価額が2,400万円の新築住宅なら、税額は約72万円になります。ただし、土地も一緒に購入していれば「評価額を半分にできる特例」などが使えることもあり、実際の金額はもっと下がるケースもあります。
まずはこの「評価額×税率」という基本をおさえておくと、ムダなく賢く対策できますよ。
札幌市で使える不動産取得税の控除制度
札幌市でマイホームを取得した場合、「不動産取得税」がかかりますが、一定の条件を満たすと税金が大きく減額される制度があります。新築・中古・土地それぞれに応じた控除制度をうまく使うことが、節税のカギになります。
新築住宅を建てた場合の控除(住宅本体)
以下の条件を満たすと、住宅の評価額から最大1,200万円(長期優良住宅なら1,300万円)を控除できます。
条件 | 内容 |
対象住宅 | 自分で住むために建てた家(自己居住用) |
床面積 | 延べ床面積が50㎡以上240㎡以下 |
控除額 | 一戸につき最大1,200万円(長期優良住宅なら1,300万円) |
※長期優良住宅の特例は2026年3月31日取得分まで有効
例)評価額が2,400万円の長期優良住宅 → 1,300万円を控除 → 残り1,100万円に3%課税 → 税額は約33万円に減少!
住宅用土地の控除(新築と同時取得)
新築住宅とセットで土地を購入した場合も、以下の条件で土地分の税金が軽減されます。
条件 | 内容 |
要件1 | 上記「新築住宅の控除」が使える住宅であること |
要件2 | 土地取得から3年以内に家を新築するなど一定の条件を満たすこと |
控除額 | 次のいずれか大きい金額が控除されます: ①45,000円 ②住宅床面積の2倍(上限200㎡)に該当する土地評価額の1/2 × 3% |
例)建てた家の床面積が100㎡ → 土地評価額のうち200㎡までを対象に軽減可能!
中古住宅とその敷地を購入した場合の控除
耐震基準に適合した中古住宅では、一定の条件を満たせば100万~1,200万円の控除が使えます。
条件 | 内容 |
要件1 | 延べ床面積が50㎡以上240㎡以下 |
要件2 | 取得者本人が住むこと |
要件3 | 次のいずれかに該当: ①昭和57年以降に新築された住宅 ②取得日から2年以内に耐震基準適合証明を取得 |
控除額 | 最大1,200万円(耐震性能や築年数によって異なる) |
土地とセットで中古住宅を購入した場合
中古住宅に対応した土地の控除もあります。
条件 | 内容 |
要件1 | 土地と建物の取得者が同じであること |
要件2 | 住宅の取得前後1年以内にその土地を取得していること |
控除額 | 次のいずれか大きい金額が控除されます: ①45,000円 ②住宅床面積の2倍(上限200㎡)に該当する土地評価額の1/2 × 3% |
設計士や工務店、不動産会社と早めに相談し、必要書類を引渡し前から準備しましょう。また、書類不備があると控除が適用されないケースもあるため、申請は慎重に!
減額申請できる条件チェックリスト
不動産取得税の減額申請は、「やってみようかな?」ではなく、「条件を満たしていれば“必ずやるべき”手続き」です。ただし、適用には細かな条件があるため、自分のケースで使えるかどうかを冷静に確認することが大切です。
そこでこの章では、札幌市で住宅や土地を取得した方向けに、申請可否を判定できる条件チェックリストを用意しました。
✅ 自己居住用の住宅である(=投資用・事業用ではない)
✅ 延べ床面積が50㎡以上240㎡以下である
✅ 住宅用土地の軽減を受ける場合は、土地取得から3年以内に住宅を建築・取得しているか
✅ 所有権の保存登記が済んでいる(建物・土地ともに)
✅ 持分が共有の場合、登記もそれに沿って正しく行われている
✅ 中古住宅であれば、昭和57年以降の建築、または耐震適合証明がある
✅ 長期優良住宅の場合は、認定通知書がある
✅ 建物と土地を別々に取得していても、取得時期が前後1年以内である
チェックしてみて、すべて当てはまるようであれば、減額申請を行いましょう。
もし当てはまらない項目があっても、このリストがすべてではないので、諦めずに専門家に相談してみてくださいね。
必要書類と入手先:住民票・登記簿謄本ほか
さて、減額申請を行うとなったら、申請に必要な書類を用意しなければいけません。
- 不動産取得税減額申請書兼還付申請書(北海道HPからダウンロード可能)
- 土地の取得日を証明する書類(売買契約書の写しおよび売買代金の領収書の写し等)
※所有権の移転の登記がされている場合は不要 - 住宅の新築日および延べ床面積を証する書類(住宅の登記事項証明書等)
- 耐震基準適合証明書
- 不動産取得税納税通知書兼領収証書
申請を行う控除制度によっても異なりますが、主にこのような書類が必要となります。
北海道での申請の場合、北海道のホームページで事前に確認しておくと良いでしょう。
札幌市の不動産取得税減額申請は道庁へ
札幌市の不動産取得税に関する窓口は、道庁別館にある札幌道税事務所 税務管理部。(札幌市中央区北3条西7丁目 道庁別館2階)
窓口の取扱時間は平日午前8時45分から午後5時30分まで、土・日、祝日や年末年始はお休みです。土日明けや3月・9月の繁忙期等は窓口の混雑が予想されるため、時間に余裕をもって行くようにしましょう。
申請内容に問題がなければ、申請から約2か月を目安に還付されます。
【ケーススタディ】減額でいくら戻る?試算例
ケースA:新築戸建(評価額1,300万円)
▼税額計算:1,300万円 × 3% = 39万円
▼控除額:39万円 – (1,300万円 – 1,200万円 × 3%)= 36万円 →36万円の減額成功
【控除後の金額】
▼3万円
ケースB:土地あわせて購入(建物評価1,500万+土地評価1,000万)
▼建物税額計算:1,500万 × 3% = 45万円
▼土地税額計算:1,000万 × 1/2 × 3% = 15万円(価格が 1/2 に軽減される対象と仮定)
▼税額合計:60万円
▼建物控除額:45万円-(1,500万円 – 1,200万円 × 3%)= 36万円
▼土地控除額:1,000万円 ÷ 100㎡ × 1/2 × 100㎡ × 2 × 3% = 30万
(※土地100㎡ 建物床面積100㎡の場合)
【控除後の金額】
▼建物:9万円
▼土地:0円
これらの事例では、減額申請によって平均30~40%の負担減を実現しています。
まとめ
不動産取得税は、家や土地を手に入れた後、ある日突然届く“高額な請求書”として、多くの方を驚かせます。ですが、落ち着いて中身を確認すれば、条件次第で数十万円単位の減額や還付を受けられる制度が整っています。
大切なのは、「何となく払ってしまう」のではなく、「控除できるかを確認してから動く」こと。新築か中古か、土地も一緒か、建物の性能はどうか。自分のケースに合った制度をきちんと見極めて、必要書類を揃えれば、節税のチャンスを確実につかめます。
「こんなに簡単に減らせるなら、もっと早く知っておけばよかった」そんな声をひとつでも減らすために、制度の仕組みと活用のコツをしっかりおさえて、賢い家計スタートを切りましょう。
制度は毎年変わる可能性があります。最新情報は北海道庁や札幌市の公式サイトを定期的に確認し、疑問があれば営業担当にご相談ください。納税を“賢い選択”に変えて、札幌での暮らしをもっと豊かに始めていきましょう。